XTM Cloud 13.3ウェビナーでの重要事項
XTMの未来に興味を抱く皆さんにとってXTM Cloud 13.3に関するウェビナーは価値ある見識を深める貴重な機会として、弊社の取り組みについて把握いただくことができました。 業界の未来を描く アジャイルリリース サイクルへ順調に移行させ、新しいリリースを4~6週間ごとに行います。
このアーティクルではウェビナーでの主要な事項を要約し、当社のビジョン、そのビジョンを実現するための革新的な取り組み、そしてこれが翻訳業界に与えうる影響について紹介します。
アジャイルへの移行:開発のパラダイムシフト
アジャイル手法への移行は当社の開発プロセスにおいて重要なパラダイムシフトを意味します。 当社のCEOであるIan Evansは、この変革は将来のビジョンを達成するための重要なステップであると表現しました。 そして、顧客のニーズに応え、インパクトのある強化を効率的に提供することの重要性も強調しました。
長い開発スプリントを伴う3~6か月のリリースサイクルから、4~6週間ごとにリリースを行うきわめて無駄のないアジャイル開発スプリントへと移行します。
Ian Evans
当社CEO
アジャイルの採用よってリリースプロセスを合理化して信頼性を向上させ、新リリースにおける不具合やバグの削減を目指します。 この結果としてアップグレードの速度は上がり、顧客からの要望への対応もさらに迅速になります。 このアジャイル アプローチによって、さらに革新的で適応力のある企業ソリューションとしてXTM Cloudは位置づけられ、進化し続けるお客様のニーズに対応する安定した最先端のプラットフォームを提供することができます。
Evansはウェビナーの参加者に対して、13.3が7月2日にリリースされたばかりではあるけれど、当社にとって初めてのアジャイル リリースとなる13.4は8月には早々にリリースされることを正式に発表しました。
ユーザビリティおよびアクセシビリティの強化:より良いプロジェクト管理
当社の製品ディレクターであるSara Basileは、プロジェクト マネージャおよびリンギストのユーザエクスペリエンスを能率的にすることの重要さを強調しました。 「私たちはお客様のユーザエクスペリエンスを合理化して新機能を迅速に利用できるようにし、お客様がXTM Cloudで毎日効率的に作業できるようにしたいと考えました。」 と説明しました。
インクルーシブ体験をさらに提供するために、Webコンテンツのアクセシビリティ ガイドラインを遵守し、ユーザインターフェースの現代化に投資してきました。 高度な検索機能の強化とクエリ管理の向上により、プロジェクトマネージャはさらに効率的に作業し、重要な情報に素早くアクセスすることができます。 手作業を削減し、プロジェクトの管理と可視性を強化することによってユーザにパワーをもたらし、最終的にはシームレスで満足のいくユーザ体験を提供することを目指しています。
用語認識の向上:翻訳の品質を高める
翻訳業界では比類のないマルチステマー機能を導入することで、特に屈折の激しい言語における専門用語の認識精度を向上させました。 さらに、Googleの自動用語集に対応したことにより、ユーザはコンテンツを機械翻訳しながらカスタム用語を活用できるようになりました。 これらの改善によって一貫した高品質の翻訳が保証され、ブランドの評価やスタイルが保護されます。
マルチステマー機能を介して用語認識を強化することによって一貫性のある高品質の翻訳をリンギストが創出できることを確実にしています。 この改善はシームレスで生産的な翻訳管理体験をユーザに提供する一方、ブランドの評価やスタイルを守る上で重要な役割を果たしています。
Sara Basile
当社製品ディレクター
AI駆動の品質保証:責任ある効率的な翻訳
XTMチームの一員として、AI駆動の品質保証に対する当社のアプローチは責任感と効率性を特徴としています。 当社では、AIを活用して人手翻訳の論理面を向上させることに注力しています。 これにはワークフロー改善の合理化、品質評価の迅速化、AIの洞察に基づくスコアリングなどが含まれます。 Evansは責任を有するAIの重要性を強調して、こう言いました。「私たちはAIによって創出される改善とビジネス上の利益に注目したかったのです。 また、データの機密性や安全性に関する懸念にも対応したかった。」
AIを活用した非包括的または不適切な表現のチェックおよび翻訳品質評価のスコアリングにより、倫理的かつ包括的な配慮を尊重しながらコンテンツの正確性を確保できます。 責任を伴うAIとの連携は翻訳の完全性と品質を保護するものであり、効率的で信頼性の高い翻訳管理を求めるお客様に対して当社を信頼できるパートナーにしてくれます。
顧客にとっての利益と結果
このローンチ イベントは、TM拡張型AI翻訳機能による実際のお客様の成果を紹介する機会にもなりました。 製品マーケティング スペシャリストであるMelissa Favre-LorraineよりAriel社での成果が紹介されました。
TM拡張型AI翻訳を使用することによってAriel社ではポストエディット作業の労力が削減され、生産性は向上したそうです。また、同社ではリンギストの翻訳労力は31%削減され、100%を越える機械翻訳の品質向上を確認したそうです。13.3の新たな機能強化によってMT翻訳はさらに30%増加すると見積もられているとのことです
Melissa Favre-Lorraine
当社製品マーケティング スペシャリスト
Favre-Lorraineは、一連のブログ記事でも紹介されているとおり、XTM Cloud 13.3の新機能すべてがROIの向上をもたらしていることも強調しました。
参加者からの声
このウェビナーにはXTM Cloudのユーザや関係者に多く参加いただき、XTM Cloudの将来について質問したり意見を交換したりする絶好の機会ともなりました。進行役を務めたDave Ruaneは13.3リリースにて最も関心のある機能について参加者に質問しました。 下図が示すように、参加者の大多数(64.1%)が最大の興味を示したのは AI駆動の品質チェックであり、 用語集・ニューラル機械翻訳・フィルターテンプレート (58.97%)が続く形となりました 。
AI駆動の品質保証に多くの関心が寄せられていることが確認できてとても嬉しく思います。これは今回のリリースにおいて私たちが優先して選択したことなんです。
用語集やNMT、FTなどにも関心が示されているのは嬉しい驚きであり、本日のウェビナー参加者の共感を呼んでおり、これらの重要性を私も疑うことはありません。
Sara Basile
当社製品ディレクター
このウェビナーでは設問に対して投票するのみでなく、参加者からその場で質問する良い機会でもありました。 「アジャイルフローで提案される製品リリース において、リリースの際には 可能な限り『バグや欠陥のない』 ものであることを保証するため、XTM社ではなにをしているのか? 」という質問に対して、「最近、担当チームでは包括的なテストサイクルを実施してより高いレベルの自動化を構築することに集中している」とEvansは説明しました。 結果として、テストグループの自動化率は8~20%から60~70%へと大幅に向上しました。. この安定化とバグ修正への多大な投資によりXTM Cloud 13.3のリリース以降、サポートチケットは16%減少しました。
「LLM(Large Language Models、大規模言語モデル)の使用に関連するプライバシーの懸念にはどのように対処する予定ですか? 」という質問も頂戴しました。 プライバシーはXTMの主要な焦点であることをEvansは認めました。 Evansの入社に際して、担当チームでは当社のプラットフォームを通じてLLMを有効にすることを検討していました。 データの機密性やデータ転送の質に対する懸念が世界的に高まる中、公的なLMMを可能にするだけでなく、私的なLMMで顧客と協力することが決定されました。 これはXTMにとって大きな分野であり、顧客とともに一つひとつのケースに取り組んでいます。
未来へ向けて
現時点ではベータ版ユーザのみに提供されているAI駆動の品質チェック機能は、将来、すべてのユーザにとって利用可能となります。これは、翻訳プロセスに関わるすべての人に良い影響を与えることになるでしょう。リンギストはオフラインガイドを参照する必要なく、高品質で包括的なコンテンツを迅速かつ簡単に作成できるようになり、プロジェクトマネージャはプロジェクトがより早く完成するにしたがって納期が早まることとなり、企業では世界中で使用されるコンテンツがターゲット市場で良い評価を受けることを確信しつつ新市場へさらに迅速に参入 できることになるでしょう。
バージョン13.3は7月にリリースされました。8月に予定されているバージョン13.4では、製品の安定化に重点が置かれています。続いて、新しいAI機能の導入、リリースの高速化、ユーザインターフェースの更新、リンギストやプロジェクトマネージャに役立つ多様なワクワクする機能強化が行われることにご期待ください。当社は今後も翻訳業界の未来を切り開いていきます。どうぞよろしくお願いいたします。